大手とは戦わない!寡占市場で生き残るクラフトウイスキーの戦略

ここ10年で輸出額が10倍に増加している物がある。

「ウイスキー」だ!

国内でも10年前にサントリーが仕掛けたハイボール戦略が引き金となり、需要が増加している。

その結果、原酒不足が深刻化し、サントリーは「白州12年」と「響17年」の販売を中止した。
しかし、サントリーは2014年にジムビームを買収し、そのジムビームが好調だ。

ウイスキー業界は大手数社が市場の大半を占める寡占市場だ。

そんな寡占市場のウイスキー市場で、大手と戦わない戦略で圧倒的支持を得ている会社がある。
埼玉県秩父市にある、従業員約20人の中小企業「株式会社ベンチャーウイスキー」だ。

日本唯一のウイスキー専用メーカーで、彼らが手掛ける「イチローズモルト」はウイスキーファンから圧倒的な支持を得ている。
なんと、一部の商品では100万円超とプレミアムが付くほど。

彼らの戦略は「大手と戦わない」ことだ。

大手は飲みやすく大量販売できる商品を作っており、効率性を重視した製品を手掛ける。
販路も量販店やコンビニエンスストアがメインである。

一方のイチローズモルトは愛好家に受け入れられるものをつくるという思いの下、個性を重視し、販路も対面販売のバーをターゲットとしている。

大手と戦わないというのは簡単だが、実行するのは難しい。というより、それをやり通すのは難しい。
需要が増えると共有を増やし、それを追いかけていくといつの間にか効率性を重視し、個性を失う企業も少なくない。

彼らのような個性を重視したウイスキーは、クラフトウイスキーと呼ばれ、厚岸蒸溜所(北海道厚岸町)やガイアフロー静岡蒸溜所(静岡市)など、全国各地で様々なクラフトウイスキーが生まれてきている。

10年後、生き残っている会社は、「大手と戦わない」という戦略を続けることができた企業だろう。

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